横浜市立大学血液グループ YACHTのホームページへようこそ。

 横浜市立大学血液グループは、1982年横浜市立大学医学部第一内科の血液グループメンバーによって設立されました。当初は横浜市立大学付属病院のみでしたが、1983年には神奈川県立成人病センター(現神奈川県立がんセンター)に血液内科を設立、その後神奈川県下の基幹病院に医師を派遣、血液診療体制を整備してきました。1985年には第一例目の同種骨髄移植が神奈川県立成人病センターで施行され、以来着実に造血幹細胞移植の実績も積み重ねています。2012年にはグループの累計移植症例数1000例を達成するなど、国内でも有数の移植実績を誇っています。そして2015年12月、私が横浜市立大学医学部 血液・免疫・感染症内科学教室の主任教授として着任し、本グループの責任者となりました。それに伴いグループの正式名称をYokohama Cooperative Study Group for Hematology (YACHT)と命名、ロゴを制定し現在に至っています。

 YACHTでは白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの各種造血器腫瘍に関するワーキンググループを作り、グループ全体の共通治療プロトコール・ガイドラインを作成して治療の標準化を行っています。さらにグループ各施設の症例をデータベースに登録し、これをもとに数多くの臨床研究を展開しています。このデータベースには、現在悪性リンパ腫・多発性骨髄腫など数千例にのぼる症例が集積されています。これは国内でも有数のデータベースであり、グループの大きな財産となっています。また豊富な症例をもとに日本成人白血病治療共同研究グループ(JALSG)など全国規模の臨床研究にも積極的に参加しています。JALSGでのYACHTの症例登録数は全国随一であり、各種プロトコール委員会でもメンバーが中心的な役割を果たすなど、日本から世界へのエビデンス発信にも大きな貢献をしています。

 このようにYACHTではグループ各施設とメンバーの固い結束のもと、豊富な症例をもとに積極的な血液診療と臨床研究を展開しています。活動の成果は国内外の主要学会で発表されると同時に、多くの学術論文として結実しています。今後はこのような活動をより一層発展させていくと同時に、豊富な症例とリンクした各種疾患サンプル採取と保存、これを元にしたゲノム解析や基礎研究にも力を入れていきます。

 YACHTが設立されて今年で35周年を迎えます。YACHTがここまで発展してきたのは、言うまでもなくグループを立ち上げた諸先輩方、それを成長させたシニアの人々の力に他なりません。この場を借りて大きな敬意と感謝を表したいと思います。そしてこれからの35年とその先に向けて、YACHTをさらに発展させると同時に世界の血液学に貢献していくため、次代を担う若手の力を結集し歩んで行きたいと思います。

平成29年8月

横浜市立大学医学部 血液・免疫・感染症内科学 主任教授
Yokohama Cooperative Study Group for Hematology (YACHT) 代表

中島秀明

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